「珍しい酒が手に入りました」
その人は言う
「心のなかに白い壷があるでしょう
泣いたときは涙をそこにためるのです
少しずつ涙をためて いっぱいになったら
壷に栓をして 暗くて涼しいところに置いておきます
2年か3年経つとおいしいお酒ができあがります
誰にでもできることですが 飲むならやはり
美女の涙でつくったお酒がいちばんでしょう
それがこれです」
すすめられるままに飲んでみると
とろりとしておいしかった
「こころもち潮の味がするね」と言ったら
「ええ だから酒の肴はいらないんです」
その人はすました顔でそうこたえた
※暑さも和らいできた今日この頃、すこし元気になったので、笛のかわりの法螺を吹いてみました。
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